随想 |
下北にて

　私は若い頃から、人のあまり行かない辺鄙な所をゆっくり歩くのが好きです。関西人の感覚からして、北海道や東北の広さは体感できません。

　青森空港から下北半島の北東端尻屋崎まで、レンタカーで３時間余りかかりました。
尻屋崎灯台は、日本灯台50選で、レンガ造りの灯台としては日本一の高さです。
上まで登れる日本で10数カ所の灯台の一つでもあります。周辺には、粗食 や寒さに強い寒立馬がウロウロしていました。

　恐山は下北最大の見どころで、広大ですばらしいです。硫黄臭と荒涼とした岩肌の向こうに広がる宇曽利湖、地獄と極楽を対比しています。恐山の穴場は、本堂前にある堀建小屋の風呂です。素朴な風呂に入りました。入浴料は無料です。恐山の帰りに、釜臥山展望台に立ち寄るのをお勧めします。むつ湾むつ市街を一望できます。

　泊りは、下北唯一のシティホテルのむつグランドホテルを勧めます。天然温泉もありゆっくりできます。

　下北は、戊辰戦争に敗れた会津藩が斗南（南と闘うという意味らしい）藩となり移住してきた地です。涼しい気候とやせた土地で餓死者も出て、多くの人が去っています。荒涼とした風景が続くところでした。